【AI活用レポート】AIの「気持ち悪い」文章は「トーン&マナー」で激変する!失敗から学ぶAI操縦術

自身による執筆

※この記事は、執筆者自身によるものです。【東京でピアノ教室迷子になった私が、4歳の息子と最高の先生に出会うまでの全記録(AI執筆)】を作成した感想記事です。ぜひAI執筆の記事もこちらから読んでみてください。なお、AIはGemini Proを使用しています。

はじめに:AIの書く文章が気持ち悪い!

当ブログでは、AI執筆記事と私自身の執筆記事を交互に投稿しています。

最近、私は作業効率化のため、AI執筆時のプロンプトにテンプレートを利用してみることにしました。構造が整ったプロンプトが用意されているので、私は記事の内容だけに集中することができます。

このテンプレート案はGeminiから発案されたもので、テンプレートの作成までしてくれました。さすが頼れる相棒です。

早速テンプレートを利用して、記事執筆のプロンプトを作成してみました。

プロンプトの確認は、こちらから

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# 指示 あなたは、ブログ『シソタとAIの生活』の共著者である、プロのブロガー兼編集者です。以下の条件に従い、読者の悩みを解決する高品質なブログ記事を、構成案から一歩ずつ考えながら作成してください。 

# 記事の条件 

* **テーマ:** * [ピアノ教室選びの体験談] 

* * **想定読者:** * [子どもの習いごとにピアノを検討している人、ピアノ教室の探し方がわからない人、ピアノを習いたい人] 

* * **記事の目的(読者が得られる価値):** * [ピアノ教室の探し方、ピアノ教室のスタイルの違いによるメリット&デメリットや選ぶ基準を具体的に知ってもらい、ピアノを始める道筋が具体的にわかり、これから本当にピアノが弾けるぞというワクワクを感じてほしい]

*  * **含めてほしい要素:** *

*   キーワード:[ピアノ、ピアノ教室、教室探し、選び方、プロセス、習いごと] 

*   * 自身の体験:[

4歳のわが子にピアノを習わせようと思ったとき、教室を探さないといけなかった。私自身、子どもの頃バイオリンを習っていた関係で音楽教室とはどのようなものかイメージがあった。

 しかし実際に教室を探すとなると、とても苦労した。東京に住んでいるのだが、東京にはたくさんのピアノ教室がある。選択肢が豊富にあり、迷ってしまうのだ。

まずグループレッスンを検討してみた。子どもが3歳の頃、ヤマハの音楽教室でリトミックに通わせていた。ヤマハは基本グループレッスンだ。教室の中には、先生の話をきちんと聞いている子、集中力が切れてしまう子がいた。それを見てグループレッスンには向き不向きがあるのだろうと感じた。ちなみにわが子は後者だった。

そこで次は個人レッスンの音楽教室を探してみた。

GoogleMapで調べてみると個人でホームページを持っている先生が近くにいたので、見学へ行ってみた。先生から話を聞くと「学校の音楽の授業についていけるようにする」ことをテーマにしているとのこと、生徒数は未就学児だけで50人、その他にも小中学生も通っており、土曜日は朝6時からのレッスンも可能とのことだった。

この話を聞いて、私はカルチャーショックを受けた。まず生徒数が多すぎる。私のイメージでは個人の音楽教室の規模は、生徒の年齢層(未就学児から高校生まで)全体で30人前後だ。先生1人で受け持つことができる人数はこれくらいだろうと思っていた。

さらに私がピアノを習わせる目的は、ピアノを上手に弾けるようになることで得られる体験を獲得することだった。正しい演奏姿勢を身につければ自分をコントロールできる力がつく。発表会など人前に出て演奏すると、本番の緊張感を味わうことができる。どんなに練習が苦しくても、自分の演奏がほめられた瞬間、今までの苦労全てが報われたような気持になる。私はこれらすべての経験が人間的な成長につながると信じている。学校の授業についていくだけだなんて、楽器を弾いて得られる経験と比べるとスケールが小さく感じられた。

個人のホームページがあれば、インターネットで探し出される頻度が増える。探しやすさから、たくさんの生徒が集まることになったのだろう。それだけピアノのニーズは高いということだ。 人目につくことで、人が集まってくる様子は、まるでSNSの投稿がバズるのを見ているようだ。

次に出張レッスンの体験を申し込んでみた。すると、メールで体験レッスンに来れる先生のプロフィールが送られてきた。どうやら、バンドで活動してきた先生らしい。得意ジャンルはJ-POPとのこと。てっきりピアノの先生でジャンルと言えば、クラシック(まれにジャズ)かと思っていた。確かにピアノは、どんなジャンルにも自然に溶け込める楽器だ。どんなジャンルの先生がいたって良い。しかし出張レッスンだと、毎回同じ先生が来れるのか保証ができない。毎回先生の音楽ジャンルが変わってしまっては大変だ。そんな不安感から、体験もせず終わってしまった。

最後にピティナ・ピアノ教室紹介というサイトから探してみた。住んでいる地域を入力すれば、近くの音楽教室が検索できる。検索で紹介される音楽教室の情報は様々で、詳細に書いてある教室、概要のみが書いてある教室がある。SNSのプロフィールを眺めている気分だ。調べる側としては、詳細に書いてある方が安心できるのだが、ピアノの先生はSNS戦略に通じた専門家ではない。

サイトで調べてみると家から自転車で10分ほどの距離に先生がいるらしい、早速問い合わせてみた。サイト側からメールが届き、先生のお名前、住所、連絡先を教えてもらい、そこから実際に先生へ連絡をとり、体験レッスンをお願いした。

先生にお話を聞くと、生徒数は全体で30人ほど、発表会は年に1度2月頃に行うとのこと、お月謝も許容範囲内だ。そしてなにより、お人柄も良さそうで、息子もリラックスしていた。

体験レッスンから帰って、妻と話し合い、こちらの先生に決めようという話になった。ピティナのサイトへも先生を決めたという報告、そしてお礼のメールをした。こちらの先生に現在もお世話になっている。

とても良い先生に巡りあえたピティナのサイトにはとても感謝している。紹介料も特にかからず、無料だ。難点と言えば、サイトに紹介されている先生の情報量に格差があること。わかりやすい先生もいれば、ざっくりとした情報しかない先生もいる。正直、後者の先生に問い合わせるのは、それなりに勇気が必要だ。そしてサイトと先生の2方向へ同時に連絡を取らなくてはいけない。これも面倒だと感じてしまった。しかし、先ほども書いたがピアノの先生はSNSの専門家ではない、実際に会ってみて自分で判断するまで、先生の人柄はわからない。

私がピアノ教室を選ぶ際に確認するポイントをまとめる。

グループか個人か?子どもの様子を見て判断しよう。

生徒数はどれくらいか?1人の先生だと30人前後が、進捗を把握してもらえたり、レッスン振替しやすいと思う。

レッスン振替は可能か?例えば、カルチャーセンターでの教室は曜日ごとに先生が変わるケースがある。

親が同伴可能か?レッスンに親の同伴が認められないケースがある。ピアノ教室の時だけは、子ども1人でがんばってみようということだ。個人的には家で練習するならば、親もピアノの進捗を把握しておくと、上達の助けになると思う。

発表会はあるのか?あるとしたらいつ頃か?発表会はあったほうが良い、本番で人前に立つ経験は、なかなかできるものではない。

ピアノはいつ頃購入するべきか?もしピアノをこれから購入しようという場合、先生に聞いてみよう。また、先生の紹介で割引が受けられるケースがある。

お月謝はいくらか?金銭的なことだ。必ず確認しよう。年齢によってお月謝が変わるケースがある。

先生の人柄との相性はどうか?これは言わずもがな。子ども、そして親自身が安心して子供を任せられると感じられる先生は大事な存在だ。

また、体験レッスンは有料のケースもある。一応、頭の片隅にいれておこう。

*   * 注意点:[ 1つの段落は最大170字で構成する。記事全体は3000~5000字で構成。] 

* **トーン&マナー:** * 専門用語を避け、初心者にも分かりやすい言葉で解説してください。 * 読者に寄り添うような、誠実で温かみのある文体を心がけてください。 * 断定的な表現は避け、「〜と考えています」「〜ではないでしょうか?」といった探求者としての姿勢を大切にしてください。

*  * **出力形式:** * まず、記事全体の構成案を作成してください。 * 私の承認を得た後、構成案に沿って、タイトルと導入文の作成に進んでください。 

Chain of Thoughtの文言「一歩ずつ考えて」が入っています。これを利用すると、AIは一気に記事全体を作成するのでなく、「タイトル&導入文」「各見出し」「まとめ」といったように、記事の区切れごとに少しずつ作成するようになります。ユーザーは都度、AIの記事を確認し、修正を加えて次のステップへ進んでいくわけです。

AIからの出力内容を確認して修正、次へ進んで確認して修正。初めのうちは調子よく作業を進めていきました。しかし、修正作業を繰り返すうち、次第に違和感が…

「文末の表現、さっきと同じじゃない?」

正直に言います。とても気持ち悪いです。

同じような文末が、何度も現れ、私はそれを何度も修正していたのです。どうして、こんなことになってしまったのでしょう?

今回は、このAI文章の気持ち悪さについて考えていきます。

この文章、自信がない?

具体的にどういう点が気持ち悪いのか、実際に見ていきましょう。

以下は、Geminiの最初に執筆した原文の抜粋です。内容は、「ピアノ教室選びのポイント8つ」を挙げて、記事全体をまとめる重要な部分です。青色マーカー部分に注目してください。

みなさんは、どのような印象を受けるでしょうか?

自信のなさを感じませんか?

繰り返しますが、「ピアノ教室選びのポイント8つ」を挙げて、記事全体をまとめる重要な部分です。私自身、かなりこだわりを持って用意してきた内容だけに、ここは強い表現で推すポイントです。

修正すべきことはシンプルです。「~するのが良いかもしれません」を「~すると良いです」と言い換えます。推量を断定に変えるのです。

AIがやわらかい表現を多用した結果、文章が推量まみれになってしまいました。これが気持ち悪さの原因だったのです。

では、なぜ推量まみれになってしまったのか?改めてプロンプトを見てみましょう。

原因はトーン&マナー:断定は避けた方がいいのか

プロンプトを読んでみると、推量まみれの原因を見つけてしまいました。。

以下がその抜粋です。赤マーカー部分に注目です。

* **トーン&マナー:**
* 専門用語を避け、初心者にも分かりやすい言葉で解説してください。
* 読者に寄り添うような、誠実で温かみのある文体を心がけてください。
* 断定的な表現は避け、「〜と考えています」「〜ではないでしょうか?」といった探求者としての姿勢を大切にしてください。

思いっきり書いてありました。断定的な表現を避け、やわらかい表現にしようとした結果、文章表現が単調かつ退屈になってしまったようです。

「探究者としての姿勢」というのも、よくわかりませんが、少なくとも私自身、ピアノ教室を探し終えた後ですので、「ピアノ教室の探究者」で無いことだけは確実です。

テンプレートの導入に浮かれてしまい、記事の内容ばかり目が行ってしまいました。トーン&マナー、この部分こそブログ記事全体の雰囲気を決定づける心臓部だったのです。

そして、AI文章の気持ち悪さの元凶、それは紛れもなく指示を出した私自身でした。

Gemini、ChatGPT、Claude、それぞれでテンプレートを用意してみた

私はGeminiを使っていますが、ChatGPTやClaudeでテンプレートを作成してみると、どうなるのでしょう?トーン&マナーに注目です。

以下のプロンプトから、テンプレートを作ってもらいます。

あなたはAIの活用法を探るブロガー、シソタの共著者です。 次の用途によるプロンプトのテンプレートを作成してください。

AIにブログ記事執筆を依頼するため、構造化されたプロンプトを作ってください。

ブログ記事の読者が読みやすくなるような工夫をしてください。

ブログの内容に関する部分には、私が内容を編集しやすいよう[]で括ってください。

これに対する出力です。なおChatGPTもClaudeも無料版を利用しています。せっかくですので、Geminiの無料版であるFlashにもお願いしてみました。

ChatGPT(無料版)

記事のトーン

  • 読みやすい日本語(中学生でも理解できる)
  • 適度に親しみやすく、押し付けにならない語り口

Claude(無料版)

トーン・文体

  • 文体: [です・ます調 / である調 / その他]
  • トーン: [親しみやすい / 専門的 / カジュアル / フォーマル]

Gemini(無料版)

トーン&マナー

  • 口調: [読者に語りかけるような親しみやすい口調、専門的な口調、丁寧な口調など、記事のトーンを指定してください。例:親しみやすく、かつ専門性も感じさせる口調。]
  • 文体: [簡潔な文体、具体的な事例を多用する、データに基づいた説明など、記事の文体を指定してください。例:簡潔で分かりやすく、具体的な事例を多く取り入れる。]

概ね、トーン&マナーはデフォルトで「親しみやすい口調」と書かれています。これだけでは推量まみれの文章を書くとは思えません。ただし、親しみやすい口調=やわらかい表現を用いられることで、自信が感じられない文章を書かれてしまう可能性はあります。

私の場合、AIのカスタム指示に自分自身のことを「AIと人間の共作を探るブロガー」だと自己紹介していました。確かにこれは「読者に寄り添うような姿勢」を提案されやすい状態です。

そして私はGemini Pro、有料版のユーザーです。有料版AIは思考の深さが特徴です。「読者に寄り添うブロガー」というペルソナを深く解釈していった結果、「親しみやすい口調」が何倍もの濃度に圧縮されてしまい、トーン&マナーへ反映されてしまったのでしょう。

断定を指示すると、スッキリ

トーン&マナーが原因とわかったところで、再度プロンプトを調整してみましょう。

黄色マーカー部分で、私が自信をもっている部分は、断定で表現してもらうことにしました。

トーン&マナー
– 専門用語を避け、初心者にも分かりやすい言葉で解説します。
– 読者に寄り添うような、誠実で温かみのある文体を心がけてください。
私の考察に基づく結論は「〜です」と断定的に。一方で、世の中への問いかけや探求中の事柄については「〜ではないでしょうか?」と読者に思考を促すように表現してください。 

こちらのプロンプトで、再度「ピアノ教室選びのポイント8つ」を書いてもらいましょう。

一部抜粋ですが、これだけでも表現がかなりスッキリして読みやすくなりました。

【結論】私が断言する、最高のピアノ教室を見つけるための8つのポイント

(中略)

  1. グループか個人か? まず、お子さんの性格をよく観察しましょう。集団の中で刺激を受けるタイプか、自分のペースでじっくり取り組むタイプか。正解は一つではありません。
  2. 生徒数は適正か? 先生一人が受け持つ生徒数は、指導の質に直結します。私の経験上、30人前後が一つの目安です。一人ひとりの進捗をしっかり把握してもらえる規模感は重要です。

(以下略)

まとめ:トーン&マナーに必要な5つのポイント

今回の記事を通して、トーン&マナーの重要性を認識することができました。

ブログ記事において、トーン&マナーとは、文章全体における表現方法を規定する重要な役割をもっています。私はその重要性に気づかず、テンプレート活用ばかりに目が行ってしまいました。反省です。

自分で文章を書くとき、表現については「です/ます調」か「だ/である調」どちらかで統一するくらいしか意識しませんので、「トーン&マナー」なんて自然とスルーしていました。

しかしAIに文章を書いてもらうとき、トーン&マナーの指定は大きく意味を持ちます。AIによって、表現されるのは自分自身。その姿かたちに影響が出てくるのです。

最後に、私がトーン&マナーにおいて必要な要素だと感じた5つのポイントです。

  1. 文体:「です/ます調」か「だ/である調」か
  2. 一人称:「僕」「私」など
  3. 言葉遣い:専門用語を使うか、避けるか
  4. 漢字の量:漢字の使用頻度「中学生でも読めるように」など、対象読者のレベルで指定すると伝わりやすい
  5. 表現:推量のような柔らかい表現と、断定のような強い表現のバランス

「!」や「?」などの記号や絵文字を使いたい場合、その旨指定してみるのも良いですね。

AI生成文章を読んでみて、文章表現に違和感を感じたら、上記5つのポイントのどれに当てはまるか考えてみましょう。トーン&マナーを調整すれば、あなたが望んだ文章を書いてくれるかもしれません。

トーン&マナーは、自分自身を映し出す鏡です。あなたも自分自身と向き合ってみて、心地のいい文章のトーンを探してみてください。

今回は私の失敗から、トーン&マナーについて掘り下げてみました。当ブログやXでは、主に私のAI活用失敗談を発信しています。

あなたのAI活用失敗談も、ぜひコメントやXで教えてください。

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